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漢方医学に関する雑記

漢方医学に関して、レポートが課されたので適当に済ませた。現時点での自分の理解と感想なのでこのブログにも残しておこうと思う。

 

漢方医学 レポート課題 

◎「五臓」の概念 

漢方医学では「自然界に存在する遍くものは五つの要素から成り立っている。その五要素を木・火・土・金・水である。」という五行学説が根底にある。当然これは人体も同様と考えられており、これらのバランスを整えることが健康であるために必要なのである。人体における五つに分ける考え方を臓象学説といい、生体機能ごとに腎・脾・肝・肺・心に分類される。(なお、これらは西洋医学における腎臓・脾臓・肝臓・肺・心臓とは異なることを付記しておく)
各要素(生体機能)は大まかに以下のようなものとされる。
「腎」(木):成長や発育及び生殖の調節を担い、先天的な生命力を司る。
「脾」(火):摂取物から気のモト(水穀の気)を取り出し、後天的な生命力を司る。
「肝」(土):気・血・津液の循環を司る。
「肺」(金):気・血・津液の漏出を防ぎ、不要物を取り除く外殻として働く。
「心」(水):上記 4 つの生命活動を統括する。また、精神や思考も「心」が司る。
また、これらの五要素は、相生、相克、逆相克に当たるもの同士の関連が深い。
健康状態から逸脱した際は、五臓のバランスを損なっているのであり、一手段として漢方薬の処方が行われる。なお、症状が同じでも、望診・切診・聞診・問診によって各要素の多寡を明らかにし、漢方薬の処方を決定する。


◎「漢方医学」講義感想 

感想を書くにあたり、私の立場は西洋科学に基づくものとする。
日本教育では漢方の基礎理論である五行学説は取り上げられておらず、複数回の講義を受けてなお未
だに釈然としない。20 年以上にわたり西洋科学に基づき、ここ数年は西洋医学ばかりを学んできたのだから当然ではある。
現時点で、漢方医学は西洋医学と比して、学問として後塵を拝しているといえるだろう。世界のごく一部地域でのみ探究され、研究の進みは遅々としているからである。基礎理論内に登場する概念の多くが、実体が確認されていない仮説的存在の域を出ておらず、想像に想像を重ねたもののように思える。これは、西洋医学における「四体液説」を想起させることも未熟さを連想させるのだろう。
漢方医学の基礎理論については疑心暗鬼である一方で、生薬の実践経験の蓄積こそが漢方医学の真価といえる。西洋科学では説明できないがなぜか効く、といった事実は厳然としてあり、科学の進歩に欠かせないためである。基礎理論に関する大きな発見や転換がない限り、私自身がこの分野に従事することはおそらくないだろうが、これらの知見をより生かすためにも、漢方医学の益々の発展に期待する。