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【レビュー】『50の事物で知る図説医学の歴史』

今回の書籍

タイトル :『50の事物で知る図説医学の歴史』

著者   :ギル・ポール

出版社  :原書房

発売日  :2016/12/05

価格   :¥3,080

読了年月 :2021/09/30(学部3年)

 

作品紹介・あらすじ:

わたしたちが健康をたもち、人類を苦しめてきた多くの病気、けが、不運に対する治療法をみつけだそうと試みてきた注目すべき方法について考察する。
50の事物をまとめて概観することで、数千年にわたって発展してきた、驚嘆すべき医学の歴史がここに明らかとなる。

 

読みやすさ:★★★★★

1項目4ページで、その表題の歴史や現代医学の見地からの解説付き。

例えば器具がテーマだったなら、その器具の登場以前はどのような手法が使われていたのか、なぜ発明されたのか、その器具の優れた点は何か、といったことが説明される。

面白さ:★★★★☆ 

物事の歴史や成り立ちに惹かれるなら非常に楽しめる。個人的には、名前の由来がなんなのかがストーリーの中で登場するときが楽しい。

医学知識:★★★★★

簡潔に書いているのであまり深堀はしていないが、要点は書かれている。

特に古い時代のテーマなどは、医学古典とでも言えるような教養要素が強い。医学科の授業で一度は聞いたことがあるような話も多い。

 

感想

めちゃくちゃ出来のいい本だと感じた。知的好奇心をとにかく刺激してくれるし、発見の経緯などは研究姿勢に啓蒙を与えるものでもある。また、盲目的な決めつけがいかに危険かを教えてくれる。決して通して読むといった本ではなく百科事典的なものなので、暇を見つけてはパラパラと読むのがいいだろう。好奇心をそそる項目があるはずだ。

医学史に残る世界中の施設に行きたくなる。コロナが終息したら海外旅行に行きたいという思いが強くなった。

人工腎臓の件で、木製の回転軸+食塩水+ソーセージの皮+自動車のエンジンってのがDIY感に溢れていてワクワクした。わずかおよそ100年前でも一見原始的で単純に思える装置の割って入る余地が残っているのが医療という分野であり、人体はまだまだ探求すべき秘密に満ちていることを実感する。

 

自分用メモ:

「医学典範」が11世紀に書かれて17世紀まで医学教科書として使われてきた?やばくないか?

(目次)

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