【レビュー】『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。』
今回の書籍
タイトル :『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。』
著者 :田淵アントニオ
出版社 :SCICUS
発売日 :2009/06/29
価格 :¥1980
読了年月 :2020/12/20(学部2年)
作品紹介・あらすじ:
「…僕の名前はトシユキ・オオハシ。ニューヨークのバイオラボで研究をしているポスドクだ。そんな僕の前に大問題が発生した。ラボのボスにこの本のタイトルそのままの無理難題を押し付けられてしまったのだ! 残された時間はわずか7日間、途方に暮れる僕の前に救いの女神、先輩ポスドクのソフィーが現れて…果たして僕は1週間で医療英単語の数を100倍にできるのか?」
ハラハラドキドキの展開で始まるストーリーにのせて、医学用語を学習できる前代未聞の英単語集。美しい挿絵や解剖図、オリジナルハーブティーレシピ、学習用セロファンなど飽きずに学習できる仕掛けが満載の1冊です。
読みやすさ:★★★★☆
最初に「とにかく1週間本気でやれ。疑問を持つな。」という旨の宣言があり、何をすればよいか1から10まで指示してくれるので、扱いやすいドリルという感じ。一応トシとソフィーの会話仕立てなので、ただのドリルよりは格段に取り組みやすい。
面白さ:★★☆☆☆
単語を語幹ごとに区切って、「これは何語のなんちゃらが由来で~」というのが楽しめるかどうか。ストーリーは特段面白いわけではないので注意。
医学知識:★★★★★
これを医学知識というのが適切かはともかく、医学英語に入る前に取り組んでおけば、必ず良い効果が得られる。英単語をそれぞれ覚えようというのは無謀で、語幹の意味を正確に把握しておけば自分で予測して英語表記を当てることも可能。
感想
「1週間で英単語を100倍にしないと、(今度来る新しい上司はあなたの評価を下げ、おそらく)解雇よ」なのでパワハラではない。
例えば「強皮症」なら
Scler(硬い) + o(接続のo) + derma(皮膚)
といった感じで、簡単に予想できるし、予想できなくても納得して他の単語の理解を深めることも可能。医学英語に限らず英単語というのは分解して覚える、由来の近いものを関連付けて覚えるというのが効果的であり、それを医学英語特化にした本が本書である。すでに医学英語に精通しているという人以外には、絶対に進めたい一冊。
ちなみに1日1~2時間くらい必要。